スキップしてメイン コンテンツに移動

なぜ、modoのモデリングは優れているのか?

連日、CINEMA4D、V-Rayと格闘してきましたが、ひとまず休憩。
あとはCINEMA4Dの日本語ヘルプが公開されてからわからないところを再度勉強します。

先日、CINEMA4D R13の仕様で困ったところがありサポートに連絡してMAXONにレポートしてもらいました。
どんな内容かと言うと、軸ハンドルをクリックした時点で少し移動(ずれ)してしまうのです。
(回転、スケールも同じく少しずれます。)
R13からは、微調整モードも兼ねているらしく、クリックしてからドラッグで移動という感覚ではなく、いきなりドラッグで移動という感覚で使用するらしい。
なるほど、そういう意味ではクリック時の移動(ずれ)は、問題にならないのかもしれないですが、そのことからCINEMA4Dの最大の問題点が見えたような気がします。
(これは、CINEMA4Dに限ったことではないと思いますが…)

最大の問題点とは、ユーザーの意思や操作より機能が優先されてしまうことです。
軸ハンドルの件もユーザーはクリックしただけで移動していないのですが、微調整モードの機能の都合で少しずれてしまうわけです。
クリックしてからドラッグで移動であろうが、いきなりドラッグで移動であろうがクリックした時点で移動してはだめなのです。これはユーザーの操作ではないからです。

また、これは以前からの仕様ですが、Xハンドルを操作して移動する場合でもスナップがオンになっていればX方向以外にも移動します。これも間違っていると思います。
Xハンドルを操作すると言うことは、ユーザーはX方向に移動するという意思を持って操作しているわけですから、スナップ機能が優先されてX方向以外にも移動してはいけないのです。

ベベル、ナイフ、押し出し…など、どの機能もCINEMA4Dは多機能です。
例えばナイフですが形状を横切るようにドラッグしてポリゴンをカットします。
当たり前の操作ですが、あなたはそれでいいですか?そのカットでいいですか?
なにを言いたいかというと、ほとんどの操作はマウスボタンを離した時点で決定されます。
ユーザーの判断とは別にマウスボタンを離した時点で確定されます。
必ずしもマウスボタンを離すことがユーザーの判断の確定ではないはず。
カットする位置がそれでいいかどうか考える時間もなく一発勝負になります。
当然、やり直しはできますが、一発勝負なのでカットの位置の微調整などはできません。
ユーザーの考える余地、試行錯誤の余地を与えてもらえません。
CINEMA4Dの決まりがあってその決まりを守って、ユーザーが操作させられている感覚です。
しかし、CINEMA4Dだけを使っていれば、それが当たり前なんでしょう。)
また、CGソフトとはそんなものだと言えばそうなのかも知れません。

しかしそれとは、対照的にmodoのモデリングは、つねにユーザーの意思や操作が優先されてユーザーの命令のもとmodoが働きます。
ベベル、スライス(ナイフ)、押し出しから、移動、回転…すべての操作においてユーザーが確定するまで、ツールは解除されません。
スライス(ナイフ)も基本操作は同じでドラッグするわけですが、カット面をずらしたり片方のポイントを移動して角度を変えたりなどいくらでも微調整できます。
試行錯誤してそれでよければ、スペースキーで確定します。
これで、ツールが解除されてスライスが確定されるわけです。
しかし、つねにユーザーに決定権があるので、ドラッグしてマウスを離した時点でカットが成立するようにもできます。modoはユーザーの命令に従います。
ツールの振る舞いまでもユーザーが決めることができるのです。
また、ツールを組み合わせてオリジナルのツールをつくることまで可能です。

ILMのデザインチームがmodoを触って感動したと言う話しを聞いたことがありますが、大抵のクリエイターはmodoを触ったときに感動するでしょう。
ユーザーの意思通りに働くからです。そう、思考の妨げにならないからです。
どんな機能があるとか、こんなことが出来るとかそんなこと以前の問題です。
以前に東京の勉強会に参加した時、田崎さんのプレゼンテーションでmodoの開発コンセプトを聞くことができましたが、非常にすばらしく感動しました。

私はmodoが完璧なソフトだとは思っていません。
CINEMA4Dに出来て modoに出来ないこともあります。(その逆もあります。)
特にCINEMA4Dのスプラインの機能は圧巻です。modoとは比べ物になりません。
また、CINEMA4Dの方が安定性も高いでしょう。
しかし、使用感が違います。
modoの方が使っていて気持ちいいですし、遥かに疲労度も少ないです。
疲労度も少ない上にmodoは驚くほど短時間でモデリングできます。

それは、modoは、ユーザーの頭であり手足だからです。

CGソフトを操作する人をオペレーターと呼ぶことがありますが、おそらくmodoはオペレーターと言う言葉が一番似合わないソフトじゃないでしょうか(笑。


コメント

このブログの人気の投稿

MAYAのベベルの疑問解決!

エッジベベルはコーナーを切り落としたり、丸めたりとよく使う機能です。 MAYAの場合、ベベルを起動するとビュー内にウインドが表示されすぐに操作できるので大変便利です。このウインドはベベルだけではなく、押し出しやブリッジなど他の機能でも表示されます。 しかしほとんどの場合、ベベルは実寸で適用するのでMAYAの割合でサイズを設定するのは不便だなと感じていました。 ちなみにMODOは実寸のみ、CINEMA4Dは実寸がデフォルトで割合に変更も可能。 MAYAはCINEMA4Dとは逆で割合がデフォルトで実寸での適用も可能。 実寸での適用する場合は適用時にベベルオプションウインドで入力するか、アトリビュートエディタまたはチャンネルボックスレイヤエディタで割合から絶対(実寸)に変更しますが、ビュー内に表示されるウインドでは割合での入力しかできないので不便だなと思っていました。 しかし、ウインドの右上のボックスをクリックすれば表示させる内容などをカスタマイズができるんですね。 これ、今までは知りませんでしたわぁ〜。 設定値のコピペやウインドのサイズも変更可能ですやん。 こりゃ便利だぁ。 ちなみに、MAYAのベベルはなんでデフォルトが割合やねんと思っていましたが、割合でベベルというのも使い出すと色々便利だと思うようになった今日この頃です。 MODOは、こっち方向のベベルもできるようにして欲しいなぁ〜。

MAYAのマニピュレータその2

一般的にマニピュレータはX赤、Yグリーン、Zブルーになっています。またMAYAはセンターが黄色になっています。センターが黄色の状態ですべての軸がフリーの状態です。 例えばX軸をマウスでドラッグして移動すれば、X軸が黄色になります。また、X軸をクリックしても黄色になります。黄色いX軸がフリーでY、Z軸はロックされた状態になります。X軸にしか動かないのでマニピュレータを動かさなくても画面内を中ボタンドラッグで移動できます。 またモデリングツールキットからでも軸のロックはできます。赤のXのボックスをクリックするとYとZのボックスはグレーになってX方向だけがフリーになります。またマニピュレータの絶対値も表示されているの色々と便利ですし、数値を入力することもできます。マニピュレータの話からはそれますが、ピボット編集の下にあるステップスナップは、MODOで言うところの「固定増分値」、CINEMA4Dだと「量子化」です。要するに1.00だと1cm刻みで移動します。例えば変更作業でいろんな箇所で3cm移動させる場合にMODOだと固定増分値を30mmにセットします。ただMODOはこの設定が初期設定にあって使い難いのでフォーム編集でツールバーに追加したりします。 MAYAの場合はいろんな箇所で3cm移動させる場合はもっといい方法があるのでそれはまた書きます。 ステップスナップはどのソフトにもある機能ですが、MAYAには相対値と絶対値があります。キャプチャは相対になっていますが、絶対にすれば絶対値の1cm刻みになり、現在XとYの絶対値には小数点以下2桁の数値になっていますがこれを整理することができます。 軸方向のロックはMAYAでは特にスナップの時によく活用しています。具体的な使用方法はスナップの時に書きます。

数値入力

地味な話ばかり続きますが、仕事する上で大切な部分でもありますので、もうしばらくお付き合いをよろしく! 例えばオブジェクトまたはエレメントを移動する場合に決まった数値分移動すること もあれば、移動してその移動距離を取得したいこともあります。 MODOやCINEMA4Dはマニピュレータを移動させると、マニピュレータの近くに移動した数値が表示されるので、どれだけ移動したかわかります。またMODOは移動のトランスフォームの項目でもわかります。MODOはほとんどのツールに数値が表示されるし、数値を制御できるので、大変便利だと思います。 MAYAはマニピュレータを移動すると移動した数値を表示する機能は基本的には多分ありません。しかしユニバーサルマニピュレータだけは移動量だけではなくオブジェクトのサイズも表示されます。また表示されている数値を変更するとその数値分移動、サイズ、回転します。マニピュレータのハンドルをクリックすると数値入力フィールドが出てきます。 すごく多機能で「大したことできそう」感が漂いますが、オブジェクトのバウンディングボックスに対しての操作だけなので大したことはできません。あまり使われていないからか、MAYA2015はシェルフにあったはずですが、MAYA2016ではメニューからしかアクセスできまん。 ではMAYAで移動した距離を取得する方法は?と一瞬考えましたがこれぐらいのことなら少し調べればmelで書けます。とにかくどこかに表示できればいいわけですしね。とは言ってもそんなことしている暇もないので、現状はスクリプトエディタに表示されるコマンドから移動距離を確認しています。 (はい、mel書かなくても表示できちゃいました。) さて、次に移動させる数値がわかっている場合はマニピュレータで移動するよりは即数値入力が一番手っ取り早いわけです。MODOはWキーで移動ツールを起動して数値を入力してspaceキーまたはQキーで移動ツールを解除という流れになりますが、以前からこれ結構面倒な手順だなと思っております。 MAYAは数値入力で移動するにはステータスラインにある入力ラインが手っ取り早いです。 ハイパーシェードのアイコンの横にありますが、多分デフォルトでは畳んでありますので、ひっそり感はマックスです!また、見た目もかなり「大したこと